以前のブログですっかりLeicaのモノクロームの虜になってしまったのですが、日本製のカメラで同じように撮れたらどれだけ素晴らしい事か…..
6Dを買ってからすっかりカメラ遠のいていたのですが、ずいぶん日本のカメラ進化していました。
LeicaのOEMも作っているpanasonic。Leicaのネーミングまで入ったレンズをだしているだけあって、常にLeicaを意識しているメーカーです。
そんなPanasonicさんが出すデジカメLUMIXにL.モノクロームというモードがあるらしい 前回のleicaM8ブログにも最後に追記したのですが、 いろいろ調べると見つけてしまいました。
見つけてしまったら最後、試すしかありません。もしこのL.モノクロームが使えるならレンズはフォクトレンダーのままで流用できます。Leicaは必要ないということになります。
早速テスト機を調達してきました。 Lumix GX7 Mk2です。
マイクロフォーサーズのカメラはライカマウントのレンズも流用できてしまう。なんて素晴らしいんでしょうか?
中古価格で比べてもLeica M8の1/4ぐらいのプライス。 なのに4K動画 強力なボディー手ぶれ補正までついています。
PanasonicのカメラありとあらゆるところでLeicaを意識しています。
ボディーデザインも質実剛健 好きな感じです。
レンズの取り付けはこのマイクロフォーサーズ規格とLeica Mマウントアダプターをつけるだけ。 簡単に装着できます。
マイクロフォーサーズ / Leica M マウントアダプター
マイクロフォーサーズはセンサーサイズが小さいので、35mmをつけるとフルサイズでいう75mm換算
Leica M8につけるとはAPS-Cなのでフルサイズで言う53mmぐらいの焦点距離になります。
なので前回の撮影から使用しているフォクトレンダーの35mm F1.4はマイクロフォーサーズには少し望遠。ポートレートには良いですが、普段使いのレンズとなると少し寄り過ぎになってしまいます。
このレンズはミラーレスにつけるならM8同様のAPS-C以上がいいかとおもいます。
マイクロフォーサーズにはポートレート用レンズとしてはいいかもしれません。
voigtlander NOKTON 35 F1.4 S.C.
Lumixでのマニュアルレンズのピント合わせ方
単焦点の良いレンズがアダプターを介していろいろつけれるのがミラーレスのいいところなんですが、フォクトレンダーのような安くで最高な描写レンズもマニュアルフォーカスと言うだけで対象外の方も多いはずです。
「Lumixにマニュアルレンズをつけるとピント合わせ大変じゃないの?」
これは当たり前の反応かと思います。
Leicaはファインダーの画像が2重になりそれが重なり美しく見えるところがピントが合った所になります。
(Leica M8マニュアルより)
一体現代のカメラでどうやってピントを合わせるんだと?
まずマニュアルレンズをつけて設定が必要です。
ここからLumixでの操作になります。
menu/setを押し カスタムモードから レンズ無しレリーズをONにします。
これでマニュアルレンズでシャッターが切れる様になります。
モニターに写った感じはこんな感じボケています。
ファインダーを覗くとモニターからすぐに切り替わり、これと同じ像が液晶表示されています。
マニュアルレンズのピントを回していくと
ピントがあった。
こちらカラーモードでも同じく。
真ん中の瓶の文字CARAMEL が薄っすらと青く光ってるのが見えるでしょうか?
これはピーキングという機能で、ピントが合ってる部分に色をつけて表示してくれます。
ダイヤルで表示の拡大もできますし、このように部分的に拡大も可能です。
今のカメラってすごいですね。
フォクトレンダーのマニュアルレンズが最新機能でバシバシ使えます。
更にこのレンズで強力な手ぶれ補正の恩恵を受けれるので単焦点動画も撮れてしまう。恐ろしいカメラですね。
基本的にモードはA 絞り優先モード。 つけてるレンズの絞りを変更するとシャッタースピードは自動的に変更してくれます。ISOもオートにしておけばOKです。
一眼を使っている人間がミラーレスでびっくりしたことが…..
絞りを回すと被写界深度がそのままその状態で変化して表示される。 モニターに写ってるボケ具合のママ撮影できます。
これは凄い。
早速撮影してみました。
Lumix GX7 Mk2(L.モノクロームモード) + voigtlander NOKTON 35 F1.4
Leica M8 + voigtlander NOKTON 35 F1.4 画角合わせトリミング
Lumix GX7 Mk2(L.モノクロームモード) + voigtlander NOKTON 35 F1.4
Leica M8 + voigtlander NOKTON 35 F1.4 画角合わせトリミング
凄いLumix L.モノクロームモード 確かに絵をLeicaのモノクロームに持ってきています。
解像度はLeicaが10MモードLumixが8Mモードで撮影したせいか、同じ絞りでも背景の奥までLeicaのほうがピント合っています。 もしかすとマイクロフォーサーズとAPS-Cの差なのかもしれませんが….
ただもっとも惜しい点はLumixのL.モノクロームまだ絵がガチャついている。
ガチャ付く原因はハイライトです。
草木の部分を見るとLeicaの方は草として一括りにまとまっているのに対して、Lumixの方はハイライトが目立ちます。 写真でいうと前に出てきてる。
例えばこの前に人が立ちポートレートを撮ると、 人が主役になるのですが、後ろの草木がハイライトのおかげで主張して、主役にスポットが当たらない写真になります。
言われてみないとわからないぐらいの差ですが。
これが絵的にどういう効果になるのかというと
下のコンクリートの色もあるんですが、グラフィック的に光と影(明るい暗いでも可)と分けると、
下のLeicaの絵は要素がまとまっているのに対して、Lumixの方はハイライトが主張するため、影で落としたい部分に光がちらほら上がってきます。
2枚の写真の影の部分に人が立つとどちらがいいポートレートになるかは一目瞭然です。
Leicaのチューニングは主役(光)以外をどのように目立たなくさせるかという部分に動機があるように思います。
谷崎潤一郎の陰翳礼讃(いんえいらいさん)のように日本はもともと影を扱うプロフェッショナルです。
もうひといきの絵作りのヒントはこの辺にあるような気がします。
トリミング前のLeica M8の写真です。
なんだか写真にまとまりがあると思いませんか?
もちろんLumixも決して悪くなくL.モノクロームモードは今までのモノクロームのなかでは最高にいい感じです。
今回はデフォルトで撮影しましたが、さらにコントラストやシャープネスなどL.モノクロームをカスタムできるので影の制御が可能です。
写真のことをphotographと日常使いますがphotoはギリシャ語で光という意味だそうです。graphは書かれたもの。 光で描かれたものって素敵じゃないですか?
モノクロームで写真を撮り出して、写真は光と影なんだと再認識し、何故Leicaの絵がよく見えるんだということを真剣に考えてみましたが カメラが光と影のコントロールの仕方を知っているという事みたいです。
これはエンジニアリングと言うよりアートです。ただこの事に気づけばエンジニアリングで持っていける気がする。
もし願いが叶うとすれば、ヨハネス・フェルメールがチューニングしたカメラとか見てみたいと思いました。
あぁカメラって面白い。
長々とありがとうございました。