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ひとりごと・ブログの話

BABYMETAL東京ドーム公演を見て思った…エンターテイメントにはやっぱりダークな要素が必要です。

先日ようやく待ちに待ったBABYMETAL東京ドーム行ってきました。

今回の公演はテレビのニュースでも大々的に取り上げられていたので、

ご存知の方も多いと思います。

55000人が一致団結するとこういう事になるんですね。もう本当に宗教儀式でした。

2日目の平日でさえMAXキャパの55000人 合計11万人動員です。

彼女たちは一体これからどうなっていくんでしょうか?

あの空気感は言葉では伝えれません。

何度も鳥肌が立ち、自然と涙が溢れてきます。

やはり体感に勝る記憶はない。

なんでそうなるのかは説明できません。

これと同じ物を映像で見てもそうならないと思います。

55000人の思いが空間に影響を与えている。

空気が変わる、共鳴している。

あの場にいないと味わえない何かがありました。

BABYMETALはライブが良いと言われています。もちろん楽曲の素晴らしさもあるんですが、ライブの体験を超えるものはない。 どなたかがtwitterで言及されてましたが、ライブが終わった後に、CDが聞けなくなるという状況も発生します。CDをリリースした後にどんどん磨きがかかって進化しているので、ライブ体験のそれを超えるものがないからです。

ライブではメタルという負の要素含むサウンドが、感情の起伏の強烈なトリガーとなります。 落ちた分上がる。上下の起伏がすごいんです。あとお客さんの一体感。あれは他のコンサートで見たことがない感じです。

ワクワクと緊張感が入り混じった中での本物のサウンド、ダンス、歌、演出。

悪くなるわけはないです。

メタル自体が本来ダークな要素を持っているのですが、演出の中でも思う存分に引き出されています。

BABYMETALのライブに潜む ダークサイドな部分も是非紹介したいと思います。

少しは話は変わりますが、

ある本によると通常のコンサートと違って演奏者とお客さんが3日間に渡って、コンサートに参加し、レストランや廊下や練習の時にコミュニュケーションを取るような環境に置くと、必然的に一体感が生まれ、最終日の終わりのコンサートは演奏者が自分で経験したことのない途方もないレベルで演奏ができてしまうということがあるらしいです。

お客の全体のヴァイブレーションが演奏にも影響するとすると、今回の東京ドームは全てが揃っていました。

最初からそのような状態、一体感が出ていたように感じます。

もちろんそうさせているのはあのお三方なのですが…

TVのニュースではアイドルとしての紹介の要素が強いかもしれませんが、東京ドームで見たものは完全なエンターテイメントでした。

自分の4つ目の記憶に残る体験となりました。

朝のニュースでも大々的に取り上げられていたので、ご存知の方も多いと思います。

ニュース的紹介ではこんな感じ。

 

ものすごくわかりやすく紹介されています。

これはこれで素晴らしいのですが、

ライブにあるダークな演出が伝わらない。

実際の感じ…. ダークな時間帯です。 動画見つけました。

2分30秒間のヘドバンコールです。

もう病的です。

強烈な求心力があるスーパースター、ダークサイドな音楽(メタル)、不安を煽る煙。

これがアイドルのライブ展開でしょうか? ミサや儀式です。

不安要素で引っ張って、歓喜まで持っていく感じ 大好きです。

私は1日目に参戦したのですが、これを見ると二日目も行きたかった。

神がかった演奏力、楽曲、ダンス、など注目が集まりがちですが、

このような悪い時間帯を作り出す演出も素晴らしいです。

55000人の大人が「お前らの本気はそんなもんかー」と一人の少女に怒られてます。

スターウォーズのように善と悪(ダースベイダー)が分離しておもしろみを増した、エンターテイメントもあるのですが、BABYMETALは善悪合わさってのエンターテイメント。

強烈なメタルのダークサイドを強烈な善(3人)でバランスをとった奇跡の組み合わせ。これは発明に近い。

欧米ではこの発明は無理なんです。なぜなら善になるキャラクターがないから。

ジャスティンビーバーしかり、ブリトニースピアーズしかり、アイドルといえども善から程遠い。真っ黒です。

純粋無垢という部分をキャラクターに仕上げた日本のアイドルカルチャーがなければ成立しなかった。

純粋無垢を 善=神聖なもの と感じる要素は日本のあちこちに見られます。

そう神道。

伊勢神宮に参られたらわかると思いますが、式年遷宮に使われた木や、鳥居は全て 白木 ニスも何も塗ってない純粋無垢な木を使用します。 寿司屋のカウンター(白木)もある意味神聖な場所です。

日本人にはそういうものを神聖なものと感じる下地がありました。

メタルという混沌とした世界から生まれたカルチャーを純粋無垢なダンスと歌で浄化すると思えば、あれは一つの宗教的な側面を持っていると言ってもおかしくないです。

昔の日本では、神に仕える女性 神子・巫女(みこ) が 透明な心の状態=処女性を求められたのも、神の意識を純粋な心で伝える意味においては、とても理解できます。

この辺りもFOX GODと重なり面白い。

よくBABYMETALがメタルかメタルでないかの論争に、彼女たちがメタルに詳しいか?という部分が論点になったりしますが、この切り口で考えると、透明な心であるから成立していることになります。

つまり、変なメタルの知識がない方がかえって良かったということです。

自我や思入れが極度に入って凝り固まっていたメタルの世界は、伝える人が「この音楽いいだろ!」と普通の人に話しても、一般の人には良さがわからない状態でした。

だから純粋無垢で、変な思い入れがない彼女たちが正しくメタルの良い部分を、世に引き出したことになります。

 メタルがダサイと言われていた時期も、この思い入れも含めたダークサイドの部分が強くなりすぎて一般受けしなくなったのではないでしょうか? それに対抗できる強烈なポジティブなカウンターがなかった。

それに比べてロックやポップスは闇をあまり掘り下げないで大衆に受け入れられました。

きっと大衆というものは振り幅が大きすぎるとついていけない、

振り幅が大きいならバランスが取れる大局的な要素を併せ持っていないとついていけないんだと思います。

メタルが仏教でいう中道的な位置で大衆で受け入れられるには、強烈な善がないと成立しない。ある意味天使のような3人が悪の中で歌うことによってそれが成立する。

多分BABYMETALがこれだけ一般の方にも浸透したのはそのせいだと思います。

ダークな要素がエンターテイメントに面白みを加える極端な例を言うと、

ミュージカルのcatsが挙げられます。

猫の方が犬より自分勝手というかダークな要素が多い。多分dogsだとあんなにロングランできていないと思います。

ディスニーのズートピアの高い評価も映画の中で人間社会のダークサイドをしっかり描いたから。

今までのおとぎ話の世界から、現実へとシフトしてきています。

これもまたダークサイドが映画に深みを増した良い例です。

BEBYMETALがエンターテイメントとして面白いのは

闇の深さ(メタル)と善のレンジが他のどのジャンルより極端に広い。

最初の定義から可能性を内在していたことになります。

多分すぐこの動画消されてしまうかもなのですが、

メディアに出る善な部分より、こういう貴重な悪の時間帯のファンカム映像の一部として残して欲しいと思います。 もちろん撮影することはよくないことなのですが….

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今回のライブは人生における4つ目の体験として記憶に残ったのですが、

感動した体験を後3つ紹介させていただくと、

1つ目の体験として

 昔ですがここで同じような感じを体感しました。NYのTWILOでのジュニアヴァスケスです。 今のフェス系のDJにないドラマがそこにありました。

マイナーコードによる単調な不安を煽る音の後の歓喜はフロア3000人が一つの宇宙船に乗って浮上していく感じです。これ以上のダンスミュージックに未だかつて出会っていません。 TWILOでプレーしていた時のジュニアヴァスケスは一つの宗教儀式に近かったです。

2000年1月1日のTWILOでのmixです。

Essential Mix 2000-01-01 – Junior Vasquez, Live from Twilo, New York by Rekeem | Free Listening on SoundCloud

昨今のEDMシーンの衰退は、ポジティブ要素ばかりで人間の持つネガティブな要素を表現しなかったからではないでしょうか?

2つ目の体験として

ラスベガスで見たシルクドソレイユの O(オー)

これもすごかった…..  ラスベガスの常設シアター(水と陸を行き来する仕掛け)でないと見れない演目。日本でもシルクドソレイユのショーは見に行きましたが、常設シアターでのショーは10倍素晴らしいと言っていいぐらいです。

演出の中にダークな展開がしっかりと織り込まれています。

3つ目の体験として

 
シルヴィギエムのボレロ
 これも素晴らしい。 2006年あたりに見たかもです。

シルヴィギエムはオリンピックに出れるぐらいの身体能力と芸術性が合わさった奇跡の人。身体芸術の究極でした。

今回のBABYMETAL東京ドームを入れた、この4つが自分の人生で強烈に残っている体験です。

40手前で一つ加えられたこと嬉しく思います。

テレビや映像で知った気になるのではなく、

実際いろんなものを体感する事が大切だなとつくづく思いました。

まだ余韻から抜けてません。

あー本当にいいものを見た。

というか五感で感じさせていただきました。

あの空間を共有された方なら同じこと感じたかも知れませんが、

東京ドームを満員にしてもまだ有り余る力…

そう東京ドームが小さく見えた。それなのにまだ10代という….不思議。

いとも簡単にやってのけるその様は、

やっとがんばっての東京ドームではなく、彼女たちにとってはただの通過点に見えます。

一体どこまで行ってしまうんだというワクワクととともに

このタイミングで出会えたことに感謝です。

ありがとうございます。

過去記事も是非 1年前の記事ですが….

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