スピーカーの話が続きます。 興味ない方ごめんなさい。
格安でtalbot oneをつくる方法を書いてみたいと思います。
格安でつくるという事は…..
セリア全面協力です。協力といっても自分でお店に行って買ってきただけなのですが….
スピーカーユニットの値段が上がってしまいギリギリですが… ただこの音がこの値段で手に入るのはちょっと凄いです。
これが足となります。
セリアのこの塗料 恐ろしく使えます。
ものすごく良い色です。
セリアで買ってきたものは
インテリアキューブ 2個
木製丸棒 直径1cm
MDFボード40×30cm
水性塗料(スモーキーグリーン、アースホワイト)
合わせて648円です。
音質の要はこれ。
セリアのインテリアキューブ。
爪で叩くとコーンと音が響きます。
前回のブログでも話しましたが、バイオリンの表板(音符マークの入っている面)は軽くて響くスプルース(密度が低い) 裏板 側面 ネックはメイプル(密度が高い)が使われています。音の決め手となる振動響板には軽いスプルースがつかわれます。
セリアでこれに出会った時は衝撃でした。
スプルースのように軽い。 中国 楊木(ヤナギ科の樹木)の積層板だそうです。
スピーカーにしたらいい音がなるんじゃないかと….
密度が軽く音が響く 箱では鳴らすにはピッタリなんじゃないかと思ったわけです。 セリアに行ったら触ってみてください。コツコツと爪で叩くと圧倒的に音が響きます。ベニア板ではこうはならない。
このスピーカーではメイプルに変わる部分をMDFに補ってもらいます。
木材には硬さや強度を示す指標として気乾比重というのがあるんですが、
これは木材を乾燥させた時の重さと同じ体積の水の重さを比べた比になります。
確かに水分を含んだ切りたての木では参考にならないのがわかります。
ハードメープル 気乾比重 0.71
MDF 気乾比重 0.61〜0.74
良い仕事しそうです。
ちなみにスプルースは 気乾比重 0.35〜0.4
今回のセリアの合板がちょうどその感じです。
これをすべてMDFで作ると今回のような音は鳴らない。 前後を音の響きが悪いMDFで塞いで セリアのキューブで共鳴させ、その力をパッシブラジエーターで逃がすという仕組みです。
さて作っていきましょう。
インテリアキューブの中にMDFボードを付けるために
このように小さなMDFのパーツをつくりボンドで貼り付けます。
これを4隅。 密閉型にするなら8箇所
内部容積を確保するため小さい方がいいかと 止まればよいです。
接着は全てこれ
音を響かせたいがために弾性が少ないエポキシ接着剤。 硬い者同士となっていますが木材もしっかり付きます。エポキシ樹脂なのでパテにもなります。 これで完璧な密閉型を作れます。 この30分硬化型が一番使いやすいです。容量もたっぷり。
セリアの箱があまり精度が良くないため隙間が出来た場合はこれをパテがわりに使いましょう。
このブログでも何度もエポキシ樹脂系接着剤の良さを説明していますが、これを知っているか知っていないかで一生影響します。
それぐらい使い勝手のいい接着剤。
2液性なので同じ分量をそれぞれのチューブから出し混ぜます。
片方が硬化剤なのでしっかり混ぜてください。
上面にパッシブラジエーターが取り付けられる穴と
寸法に切って穴を開けたMDFをはめ込んで接着するだけ。
少し凹まして接着するとかっこよくなります。
とても簡単と言いたいところなんですが
ただこの70mmの穴あけが少し大変で…
小さなドリルで鉛筆でけがいたように穴を開けて糸のこでつなげる
もしくはホールソーという穴あけ道具があれば完璧です。
多少隙間が空いてもエポキシ樹脂で埋めればOKです。エポキシ樹脂は硬化してからの収縮が殆どないためパテ代わりに使ってください。 上からセリアカラーを塗れば隙間が全くわからなくなります。
センターをケガキ 軽くポンチを打ち ドリルで下穴を開けます。
そこに35mmのホールソー
amazonで購入できるこのタイプはドリルチャックに取付用なので 電動ドライバーへのとりつけはこんな器具が必要です。
2個穴をあけ
真ん中のばりを削ります。
このバリ取りはトリマがあったら便利
パッシブラジエーターは上から貼るだけなので多少がたがあってももんだいないです。
木のバリみたいなのは80番ぐらいの紙やすりで仕上げておきましょう。
これもセリアで紙やすりセット売ってます。
MDFの箇所を糸鋸で切る場合は硬いので普通の木の板をセリアで買ってきてもいいかと思います。
スピーカー制作の最難関は大きな穴を開けるという部分です。
スピーカーユニットはフランジがないため接着剤でくっつけます。 密閉型ができるようにぐるりをエポキシ樹脂で一周です。
ここさえクリアすれば…
といってもかなりハードルが上がってしまいましたが…
こちらユニット 15cmぐらいのケーブルを切ってプラスはプラス マイナスはマイナスに。 印のついているケーブルは赤のプラス側にしましょう。
ターミナルは最初のものと違いますが、どっちかというとこのブログの最後に紹介している金メッキ+透明プラスチックのほうが好きかもです。
ユニットのインストール
このようにエポキシ樹脂を爪楊枝でフランジの部分に塗っていきます。 これぐらい塗ってしまうとはみ出してしまうので もう少し薄く。
内部のスピーカーにエポキシが塗られないように注意してください。
このユニットはフランジがない。みなさんが取り付けに困る部分なのですが、
その分可愛いデザインになる要素の一つでもあります。
接着剤を付ける前に箱に斜めに入れて入るか確認してみてください。
入れ方に少しコツがいります。
これぐらいに伸ばしていきます。 もう少し乗っていてもいいかもしれません。
コードが出ている反対側から斜めに入れ インストール完了
ユニットの自重でしっかり接着できます。
あとは裏蓋につけるだけスプリングワッシャーは必ず噛ませましょう。
ナットが緩まないように締め終わってからエポキシ樹脂で固定してもいいかもです。
その場合は必ず電気が流れる接着面は残しておいてください。最後のナットの際にエポキシ樹脂でいいかもです。
しっかり閉まっていないと緩んで振動によるビビリが発生する可能性があります。
後ろの端子は接触しないように。ショートしないようにしてください。
後ろの穴は縦になっったほうが使いやすいです。 接続はこのようにスピーカーケーブルを穴に通して締めます。 反対側のナットがしっかり締まっていないとこちらを回すことで反対側も回ってしまうので注意してください。
パッシブラジエーターについて
これは没になったパッシブラジエーターなんですが、
このようにラバーに鉄板がついているだけです。
これは買っては見たもののサイズが少し中途半端でストロークがなかった。
なので今回採用したものはこれ。
本当は裏から貼り付けるのが正しいのですが、外観があまりかっこよくならなかったので上から貼り付けました。これも輪郭をエポキシ樹脂を塗って貼り付けるだけです。
密閉型を制作予定なので空気がもれないように…
必ずパッシブラジエターの裏側の接着面はラバーをやすりがけしてください。80番ぐらい。
接着がよくなります。
セリアの塗料3重塗りぐらいでこの質感になります。1本あればワンセット十分間に合います。 マットなので後で傷ついたところをタッチアップしても全くわかりません。
きれいに仕上げたい人はエッジのコーナーだけ最初にヤスリがけしておきましょう。少し毛羽立ちます。
安いですが中国配送なので到着に一月ほどかかってしまいます。
ただこのパッシブラジエーター すぐれもので、
このように普通に上に中低音は放つ事もできますし、
左右それぞれ90度回転させて、中低音を空間に広げることも出来ます。
キューブ型なので90度回転させるだけ。
もちろん内側に放つことも可能です。中低音をこれだけコントロールできるスピーカーって珍しいと思います。 空間によって音像を変更できる。
パッシブラジエターを壁側に放って低音を壁に当てて増幅することも可能です。
裏蓋について
後ろは密閉型なのでフロントと同じように蓋をしました。
これを買ったのですが、スピーカー端子と入れればいくらでも出てきます。
これも中国配送で一ヶ月….
秋葉原行けばすぐに買えるのですが…..
中の配線はプラスをプラスにつなげるだけ。それだけです。
できるだけ はんだ付けで….
スピーカーケーブルはこれ。
太すぎるとケーブルにパワーが取られてしまうので、このamazonの16ゲージは名品
これよりもうひと息 細くてもいいです。
太くなるのはNGです。
今回はあえて響かせたいので吸音材は入れておりません。
是非実験してみてください。
おさらいすると中低音を出す方法はこんな感じ。 今回は一番右のパッシブラジエーター型を目指しているんですが、
このセリアの木 とても優秀で、
裏蓋を外した一番左 後面開放型でも素晴らしい音がなります。
その場合はパッシブラジエーターはただの飾りになりますが、
密閉型より中低音は出ませんが、スピーカーのコーン紙に変な内部の裏圧がかからず
のびのびした音になります。
幼稚園のお遊戯会に行くと ピアノの裏蓋を外して音をフロアに響かせている光景を見たことないでしょうか? あんな感じです。 JBLのパラゴンでも裏蓋外している人がいるほどです。
ぜひ聴き比べてみてください。
背面開放型を選んだ方はこのような遊びがもれなく出来ます。
もう一つキューブを足すことで中低音が伸びます。
ただやってみた実験では一つのほうが気持ちよかったです。
インシュレーター件スピーカー台
これはせっかく隠れているので見せたくなかった。
余ったMDFを7cm✕7cmに切って、
裏からエポキシ樹脂で固定しているだけです。
7cm角にすると台座はスピーカーを置くとちょうど隠れて見えなくなります。
台としての安定性も抜群です。
ホントはスピーカー底を点で支えたかったんですが、これはデザイン性を優先しました。
足元は寸足らずに見えますが、こうやって点で支えることによって、なんかかわいい+インシュレーターとしての機能を持たせています。
フロント2後ろ1はインシュレーターの基本でもあります。
同じようなデザインをしたい方は長さ5.5cmで22.5度でカットしてください。
それでカットすると短い辺が5.2長い辺が5.7ぐらいになります。ざっくりとですが…
どうやって22.5度でカットするのよ?
これマイターボックスがあれば確実に切れます。
マイターボックスこれで22.5度完璧に切れます。
マイターボックスは意外と難しい90度もしっかり合わせてくれるため2✕4の木材をよく使われる方は是非持っておいたほうが良いでしょう。
みなさんお気付きかと思うのですが….
これ道具代の方が高くつくんじゃね?
スピーカーの穴を開けるホールソーだけでも70mm
パッシブラジエーター側で35mm が必要です。
後パーツもアキバに行かないとamazon経由だとかなり遅い……
前回のブログをアップしてから 友人まわりで反響があり
既に10セットオーダー入りました。
完成品を自分で制作して販売するにはかなり大変というか無理です。
せめてスピーカーが取り付けれる穴がすでに開いて、サイズが切られている木材とはんだ付けされたスピーカーユニット+スピーカー端子、パッシブラジエーター をセットで用意して
購入者には接着剤でくっ付けるだけ+色塗りを楽しむ。
アンプはamazonで Lepy デジタルアンプ LP-2024A+ を買ってもらう
lepyのLP-V3は音が痩せて聞こえるのでいまいちでした。class-Dタイプのものは未確認です。
ぐらいのキットを販売できないかと…..
実現出来ると良いのですが…..
このスピーカーの要となるユニット
PM-M0841CKスピーカーユニットを販売されている会社様に問い合わせた所
ユニットの提供はOKになりました。 後は5mm厚のスプルースとメイプルの調達です。 単純に板材のカットと穴開けなのですが、もしこのブログを読まれていてうちで可能よという業者様いらっしゃれば是非ご一報ください。
こちら までメールいただければ嬉しいです。製作が苦手でもスピーカーが欲しいと言う声も何件か頂いているので、製作や塗装可能という方がいらっしゃればそちらも募集してさせて頂きます。
初回のオーダーで30セットぐらいは用意したいと思います。
とにかく
本当に良い音です。
正直amazonで購入できるBluetoothスピーカーと比べてもかなり良い音。ぬけ感が違う。 フルレンジなので仕事にもじゃまにならない音質で、ずっと音楽を聴いていられます。
自力で行ける方は是非こちらのブログ参考にして作ってみてください。
これが正解という訳ではなくもっと良い答えも他にあると思いますので、材質変更したり実験してみても面白いです。
長々と有難うございました。
必要なものまとめ
2020/4/5 追記 新しいモデルとしてMakuakeさんから販売させていただきます。
詳細はこちらご覧ください。