ニーチェア(NY chair)について
ニーチェアというNY近代美術館(MOMA)に永久コレクションされた椅子をご存知でしょうか?
イームズ、ジャン・プルーヴェ等様々な名作椅子は数あれど、折りたたみの椅子としてMOMAにコレクションされたものはそうないと思います。
ニーチェアは新居猛(NII TAKESHI)さんデザインによる椅子です。「安くて丈夫で座りやすく、どこにでも置けて折り畳める。食べ物でいうならライスカレーのような椅子を作りたかった」このデザインが生み出された背景には北欧家具に影響を受けた新居さんが、「しかしどうして戦後の日本でこのような贅沢が出来ましょう。」
という動機から制作がスタートしています。低コストでみんなに良いもの与えるという最大限の努力と考えからこのデザインが生まれました。
海外と違って日本は土地がない。そんな住宅事情にはぴったりなデザインコンセプトでもあります。
ダイニングとソファー+くつろげる椅子となると、リビングに相当な面積が必要です。 IKEAや無印にあるような リラックスできる椅子を置こうものなら、あっという間に手狭。
商品自体はそんなに高くないのですが、スペースの関係で断念した方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかしその点ニーチェアは折りたためるんです。簡単に。
つまりダイニング+ソファー+ちょっとしたリラックスチェアーという生活を豊かにするものをスペースを犠牲にすることなく取り入れることが出来ます。
で更に凄いのは折りたたんだ状態で自立します。
たたんだ状態なんですが、自立しているのわかりますか? オットマンも。
壁から10cmほど離れている写真で、壁にもたれているわけではありません。
こういう細部にまで気が配れれています・
椅子をたたむときは3秒
閉じてアーム後ろの紐を隣のアームに引っ掛けるだけ。これだけコンパクトになればキャンプとかにももっていけます。
かわいいラグなんか下に敷いて。
ニーチェアの購入時に皆さん思われるところは、このように簡単に折りたためる椅子なので、なんかチープな印象になるんじゃと思うかもしれません。
私も最初そう思いました。
なのでリビングに置くのはどうなんだろうと…
実際商品が到着して驚くのはその質感の良さ。
例えば普通のパイプ椅子では1番チープに見える金属部分も こんな感じの仕上がりです。ニーチェア Xの質感です。マットなステンレス
アーム部分の処理も美しい。。
これがMOMAの永久コレクションに選ばれるのは理由があります。
とにかく座りやすいんです。
座っていると勝手に寝てしまいます。
仕事用のアーロンチェアがONでこちらは完全なOFF。
家ではアーロンチェア → ニーチェアを行ったり来たりしてスイッチをOFFにしています。
我が家のスタイル
on → アーロンチェア
off → ニーチェア
数年前に奥さんが妊娠した時リラックスできる椅子を探している時にこれに出会いました。
2011年に購入した時の話
2014年の話になるのですが、購入しようとしたらライセンスの関係で2種類あることが分かりどっちを買おうか迷った記憶があります。
ニーチェアX とニーチェアF
何が違うのかと調べたところ、デザイン的、性能的には殆ど変わりません。しかし製造したメーカーが違いました。
ニーチェアX 有限会社 ニーファニチア
ニーチェアF 株式会社 藤栄
ディテールがすこし違います。
ニーチェアX
全てプラスネジ、金属部分マット
ニーチェアF
Xに比べ本体高さがほんの少しだけ低い。一部六角ネジ。金属部分若干つやあり。後ろにタグがあり。ファブリックの縫い方が若干違うなどなど
見ていただくとほとんど同じです。
わたしの場合はやっぱりオリジナルということでニーチェアXのロッキングを購入したのですが。
なんと2013年9月にオリジナルの(有)ニーファニチアが廃業されました。
これはとても残念なニュースで、オリジナルのニーチェアが手に入らなくなったということです。
現在のホームページを見てみると再開発計画のことでいろいろ問題があるみたいです。
2020年現在
オリジナルが手に入らなくなったと思っていたのですが、2014年11月から藤栄さんがニーチェアエックスの権利を引き継いだみたいで、オリジナルのXが藤栄さんから発売されています。
嬉しい限りです。 なのでニーチェアは全てXに統一されるんだと思います。
ニーチェアの使い勝手
そんなニーチェアなのですが、
使用してみると、新居猛さんがおっしゃるようにほんとカレーライスのような椅子です。
と言うのは 和室においても洋室においてもしっくり来ます。デザイン的にも素晴らしいのは言うまでもないのですが、
他の特徴と言えば
●4本足の椅子に比べて床を痛めにくい。ロッキングはこれは当てはまりませんが…
●ネジ4本で組み立てができる。
●座る人の体重が加わると、Xの足が左右に開き、シートが張り支える力が働く。これが程よい張りとなり、すわり心地を生み出している。
●製品のネーミングはNY(ニー)作者の名前+デンマーク語でフレッシュな という意味に由来 その当時日本のリビングデザインに大きく貢献されていた武蔵野美術大学教授 島崎 信 先生がネーミングされたそうです。
などなど機能的にもいいことずくめ。
新居猛さんは1920-2007年 残念ながらもう他界されております。
デンマークの家具の美しさに影響されたのがきっかけで椅子づくりにのめり込み、完成させたのがこのニーチェアです。(有)ニーファニチアも新居さんご自身が作られた会社です。
狭い部屋に無理してリラックスできるチェアーを置くと無理している感がでてしまうのですが、これは必要なときに出せて、インテリアにも馴染みます。スマートに生活している感がでてとても好感が持てます。
ファブリック全体で体重を支えるためアーロンチェアのような荷重が分散された感じのすわり心地です。 これは実際に座って見られることお勧めします。
ほしくなります。
ガンガンに座って、シートがボロボロになっても、交換用シートが9000円で購入できます。これでまた新品です。
うちの写真は使用3年目ぐらいです。まだまだです。
ロッキングと普通のニーチェアはすわり心地はほぼ同じ。ただロッキングは前後に体重をかけるともちろん揺れます。
ニーチェアのロッキングをおすすめする理由は、安定性。 普通に座るだけだならロッキングではない椅子と同じ安定感が得られます。で立ち上がるときなどは前のめりになれる。ロッキング特有の不安定感がなく、好きな位置にピタッと止まる感じ。さらにニーチェアはアームの位置が低いので、読書の時の手のじゃまにならなく、立ち上がるときにつかむアームとしては素晴らしいです。楽に立ち上がれる。
なので両方の特性を楽しめるロッキングがいいのではというのが僕の持論なのですが、
皆様も同じような事を考えられていてロッキングは人気ですね。
編み物をされる女性のかた、特におすすめします。
ひなたぼっこをしながらこの椅子に座ってお茶とか。
好きな時間、好きな場所に持っていける素敵な椅子なんてなかなかありません。
奥様に狭くなるからこれ以上、椅子なんかおいではダメと言われている旦那様もたためます。これなら。 好きな場所に広げて読書タイムです。
もう8年は使っていますが、まだシート張り替え当分大丈夫です。
折りたたみ椅子にしては高いですが、これは一生ものです。
本当に買ってよかった。是非ご参考ください。
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ニーチェア X ロッキング
ニーチェア X
新しいライン
ニーチェア Shikiri ファブリックが 高島の生地です。 美しいです。