先日ブログに書かせて頂いた、タイヤへの思い、パナレーサーさんがリツイートしてくれるなどメーカー様に伝わりました。こっそりと大胆に書いているつもりなのですが、実際に伝わると嬉しい+ビビります。とにかく有難うございました。
さて、今日はもうすぐ入学式シーズン到来ということでお祝いに最適な文房具をご紹介したいと思います。
万年筆としてはとにかく書きやすい、ペン先が柔らかい+インクが蒸発しないということで、kaweco スポーツを激しくプッシュしているブログですが、今日紹介するものは、万年筆はハードルが高く、もう少し気軽に使えるものをプレゼントしたい方にはピッタリかと思います。
ロメオNo.3 って何?
最初のタイトルからそう来ると、まずこれをはじめに書いておかないといけないのですが、 一言でいうと、とにかく書きやすいボールペンです。
それも伊東屋オリジナル。大正3年に発売されたロメオNo.1(万年筆)から始まり、一時期販売されていなかったのですが、2004年にロメオ復刻モデルとして再発売。 そこから2009年、さらに万年筆から普段使いに適したボールペンに進化したのがロメオNo.3です。
ロメオNo.3とは伊東屋がプロデュースする
オリジナルボールペン
の事になります。
知っている方は昔から知っているボールペンだったのですが、ここに来ていよいよその知名度を一般にも拡大する流れが来出しました。
まず 中田さんのサブチャンネルで紹介されたのが昨年の9月頃
中田さんのびっしり書き込まれた構成ノートを見ると、youtube大学はロメオNo.3で出来ていると言っても過言ではありません。
そして今年に入ってとうとう、文房具youtuberのしーさーSeasarさんが取り上げました。
そこでこのブログでは全く便乗する形でなぜこのペンがこれほどまでに書きやすいのか考えてみたいと思います。
ロメオNo.3の書きやすさの謎について
これだけ騒がれだしたら嫌でも目につくロメオNo.3なのですが、勿論私もこのブームに便乗して波に飛び乗っています。 遠くに波が見えだした時から、これは「乗れってことですか?」 と自問自答がはじまります。その後気づいたら無意識に乗っているパターンなので、なぜ手元にロメオNo.3が2本もあるのか不明ですが、多分波に飲まれて気絶していたんでしょう。
様々な自分が興味を持った波に、飛び乗っていってるんですが、意外とそれほどまでじゃなかったり、飛び乗るんじゃなかったという波もあります。
しかし、これは本物でした。
次元が違う書きやすさ
一体これは何だんだろうか?とペンを眺めながら思うのです。
このペンは何が違うのかというと、ペン先が安定するんです。普通のペンと比べ安定感があるのにペン先が動かしやすい。なにか不思議な感じがします。てこの支点が違うというか…. ペンの中心が手に吸い付いてきてペン先がそれを軸として自由に動かせる感じがあります。
勿論リフィルの素晴らしさもあるんですが、G2規格のリフィルなのでエコなジェットストリームなども使用可能です。なのでペンを買っていただいて水性油性限らず、G2規格のリフィルであれば色々試せる利点もあります。
リフィルの書きやすさとは別にペン自体の重量配分がなんだか特別な感じがするんです。
ペンって不思議なもので、例えば万年筆の名品と言われるものに、そのボールペンバージョンが出たとしてもそれが名品と呼ばれるかといえばまた別物で、ペン先がペンか万年筆になるかで重量バランスが崩れ、これだという部分がずれていきます。 なので微妙なバランスで名品が誕生するんだと思うのですが、ロメオNo.3は初代万年筆からボールペンになりより覚醒したのかと思います。
そんなロメオNo.3なのですが、
ずっと眺めながら思うことがありました。
これは 筆記具界のミッドシップだ
お前は何を言ってるんだ?と言う感じになると思うのですが、車の世界では特にスポーツカー等で質量の一番重たいエンジンを真中付近に持ってきて質量中心をセンター近くにすることでZ軸回りの慣性モーメントを小さくする働きがあります。簡単に言うと運動性能が上がる。
ラジコンもそうでオンロードのツーリングカーでは一番の重量物のバッテリーやモーターをセンターに持ってくるレイアウトが流行っていて、自分のTB05(タミヤのラジコン)もリアモーターから真ん中あたりにモーター配置するとコーナーを的確に攻めれるように変化します。
多分これがペン先に起こっている。
かつてミッドシップを実現した筆記具があったでしょうか?
さてもう一度ロメオNo.3なのですが、他の筆記具と違うところなにかお気づきの点はございますか?
この真中のロゴが入った金属。伊達じゃありません。
ここがペンの中で一番重たいパーツになっています。つまり車のミッドシップと同じように質量の中心をセンターに配置した画期的なペンなんです。
驚くのは回転のセンターに当たるZ軸がこのパーツの真中部分に来ます。 やじろべえのようにバランスを取ると分かるのですが丁度このパーツのセンターで左右釣り合います。
勿論 r が短いほどいいのですが、斜めに使いながらペン先を動かす筆記具は、シーソーのような左右の微妙なウェイトバランスが必要です。
分解してみるとネジ部分まで金属で、センターの重さをしっかり増している要素になっています。
いまだかつてこんなまん中にウェイトを置いたペンがあったでしょうか?
この筆記具の素晴らしいところは、リューズを回して芯を飛び出させるため、キャップなどの付け替えによるよるバランスの崩れがありません。
2020年のpenカタログに掲載されている何百本の筆記具をみてもこのように意図的にセンターウェイトを狙いに行ってる筆記具が見当たりません。
これはもしかしてものすごく画期的なことなんじゃないだろうかと….
例えばモンブランのマイスターシュティックしかり、パーカーしかり、キャップをはめた時にセンターにウェイトが来るように考えたのか?果たしてデザイン要素なのかわからないモノはありますが…. このようにキャップの端に金属ウェイトが付いているタイプなど….
ロメオNo.3はキャップをはめる動作もいらずバランスが出来ている。これ実は筆記具界にとって凄いことをさらっとやってしまっているのかもしれません。
ただ単に偶然の産物としてバランスが良いペンが出来上がったように思えないんです。 外から見えないように真中に重心がある感じのペンもあります。最近発売されたレグノの木軸シャーペンとかセンターリングに重い重心が来ています。なのでこの辺はメーカーの設計者の様々な試行錯誤があるのかもしれません。
ロメオの話をすると、明らかにセンターウェイトを取り入れたのはこの写真。2004年のNo.2からなので全く想像ですが、伊東屋さん内部にセンターウェイトの素晴らしさを発見した感覚のマエストロがいます。 No.2に見られる キャップの端に鎮座するの過度な金色の重量物は意図的にとしか思えない。
キャップをはめた時に良いバランスになるように考えられたNo.2をリューズと言うダイヤル式+ボールペンに進化させ、なおかつセンターウェイトを実現させたのがNo.3
感動すら覚えます。
もしかするとその当時海外にこのようなバランスの参考になる代表的なモデルが合ったのかもしれませんが、昨今の筆記具業界を眺めてみると、これがどれほど面白い試みなのか勝手にワクワクしてしまうのであります。
おすすめの軸の太さについて
伊東屋さんで色々触らせていただき試し書きしたのですが、手の大きい私でも比較的一番左の 細軸モデルのほうがペン先を動かしやすかったです。 レザーは細軸にレザーを巻いたような厚み感で、太軸は更に太くなります。
このブログで勝手に書いているようなセンターウェイトの考え方から言うと細軸が一番その効果が出ているような気もします。
ただどれも書きやすいです。 手帳用に短いモデルや更に軸が細いESモデルもあります。
細軸 | サイズ | 11x140mm | このブログでおすすめ |
重量 | 25g | ||
レザー | サイズ | 11.8x143mm | |
重量 | 31g | ||
太軸 | サイズ | 13x143mm | |
重量 | 34g | ||
mini | サイズ | 10x10x110mm | 手帳用などの短いタイプ |
重量 | 21g | ||
ES | サイズ | 9.2x143mm | 更に軸を細くしたタイプ |
重量 | 27g |
リフィルについて
純正でついているROMEO GEL(フランス製) が素晴らしく書きやすいのですが、ROMEO Easy Flow (ドイツ製)というものも評判が高いです。 私はインクの出が好きなので標準でついてくるROMEO GELを使っています。 G2(パーカータイプ)というオーソドックスな規格のためパーカーのジョッターのリフィルも使えますし、ゲル 水性 油性関係なく様々なリフィルを楽しむことも可能です。 油性が好きな方はEasy Flowもしくはジェットストリームの0.7がすごく良かったです。 同じ油性でもジェットストリームよりEasy Flowのほうが水性っぽいインクの出方をします。なのでROMEO GELに近い書き心地の油性を目指したい方はEasy Flow。ジェットストリームの書き心地が好きな人は勿論ジェットストリームです。
EasyFlowはドイツのSCHMIDTテクノロジーが作っていて、デュポンやDIPLOMAT、ステッドラーなど派生モデルがあるので、微妙に違う感じ楽しめるかもしれません。
なのでロメオには自分好みのリフィルを探す楽しみもあります。 とにかくコスパ重視の人は格安G2リフィルも多数販売されているため探してみてください。
一つ注意としては リフィルを交換する際のスプリングの向きに注意してください。
リフィルに近いほうがスプリング狭くなります。これを反対にするとリューズを絞ってもスムーズにペン先が引っ込まなくなります。
ROMEO GEL | フランス製 | ゲルインク 一番インクの出が良いです |
ROMEO Easy Flow | ドイツ製 | 油性なのにゲル状の書き心地 |
ジェットストリーム | 油性 おなじみの書き心地。0.7おすすめ |
● ロメオ ゲル芯 リフィル
● ロメオ Easy Flow (油性) リフィル
G2互換リフィルなら楽天で売られているこれが評判良いです。価格も1/3ぐらいです。gelではないタイプです。
G2型 互換替芯 パーカー PARKER IM Paker JOTTER 替え芯 1ミリ 0.7ミリ 赤 黒 青 G2規格 三菱鉛筆 UNI ジェットストリーム プライム JETSTREAM PRIME PARKER ボールペン アーバン ジョッターこちら amazonで販売されているG2互換GELインクです。
G2 互換 GEL インクデザインについて
機能とデザインを併せ持ったロメオNo.3なのですが、もう一つ楽しみが。
それは模様です。
私の持っているブラックは関係ないのですが、他のカラーはこのようにアクリル流し込みのため1本1本表情が違います。 銀座の伊東屋さんで購入する場合は3-5本の中から選ばせてもらえます。 ただ商品として販売されているものはどれもいいので正直迷います。ほんの少しニュアンスが違う感じ。 なのでネットで購入しても大丈夫だともいます。 伊東屋さんに限らず、高級ペンが置いてある文房具屋さんにはあると思うので是非実物見てみてください。
デザインは細部に宿ると言われますが、注目していただきたいのはピンの裏。
安価なペンだとこの丸の部分に接合部が見えるのですが、全くの球体です。服にも引っかかりません。 素晴らしい心遣いです。
パッケージも素敵なので、プレゼントするにはいい商品だと思います。
最後に
書き始めたら長くなってしまいました。自分の中がこんなにもロメオに侵食されていたなんて….
今回書かせていただいた事は、このような考えもある….程度で聞き流していただければと思います。
お世話になった方へのプレゼントや入学祝いなど、ペンを一つ選ぼうとしても膨大な種類があります。 その中でも、価格、質、機能、デザインとってもどれも素晴らしく喜んでもらえる商品だと思います。
書くのが楽しくなるペンなので、自分使いとして使ってほしい一本です。
是非ご参考ください。
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