今日は空気清浄機とウイルスの話
このブログでも空気清浄機のアクセスが多く、皆さん今空気清浄機の情報を求めているんだと…. 以前インフルエンザと空気清浄機のことは書いたことがあったのですが、今の疑問を調べてみました。
「新形コロナウイルスがそもそも空気清浄機で除去できるものなのか?」
という問題です。
間違った情報を拡散してもあれなので、あくまでカタログスペックから傾向をみて見ることにします。
新形コロナのサイズがまずわかりません。
日本ウイルス学会のページに行ってみました。
そのページに書いてあることによると、コロナウイルスはプラス鎖一本鎖のRNAをウイルスゲノムとして有するエンベロープウイルスで
直径 約100-200 nm(ナノメートル)だそうです。
200nm=0.2マイクロメートルなので
大体サイズ感がわかって来ました。
空気清浄機でコロナを除去できるかは0.1-0.2マイクロメートルを除去できるかにかかってきます。
ちなみに問題となってるくしゃみや咳のときに飛び散る、コロナの菌が含まれる飛沫感染のエアゾルは1〜100マイクロメートルです。
感染様式の考察はこちらに詳しく書いてありました。
さてここからメーカーのフィルター性能を調べていきます。
各社空気清浄機 どんな性能を持っているのでしょうか?
個人的にはダイヤモンドプリンセスの空調のフィルターがもっとよければあんな感染率高くなってないんじゃないかと思っています。空調システムを使って各部屋に撒き散らしている可能性もあります。
飛行機は厳しいと聞いたことがあるので、電車、船舶、飛行機等、人を輸送するシステムと空調フィルターの性能の関係性がアフターコロナの世界では問われそうです。
まず最初に
BALUMUDA
現在のHEPAフィルターの仕様では0.3マイクロメートルの微粒子を99.7%キャッチとありました。
つまり0.1-0.2マイクロメートルのコロナは除去できそうにありません。ただ飛沫感染のベースとなるエアゾルは除去できますがその水分が乾燥してその後ウイルスが飛散してしまうのかはわかりません。
ダイキン
ダイキンにはBALUMUDAのフィルター機能だけとは違い光ストリーマという技術が入っています。
ダイキンの空気清浄機の場合は浮遊ウイルスに対しての効果を宣伝しているだけあって除去能力は0.1マイクロメートル〜2.5マイクロメートルの粒子を99%除去です。
0.1マイクロメートル未満の微粒子については確認できていないとこ事なのですが、
対ウイルスに関してはダイキンに軍配ありそうです。
シャープ
フラッグシップの空気清浄機を見ているのですが、
ダイキンの光ストリーマ同様フィルター+プラズマクラスターという機能がついています。
こちらも0.1マイクロメートル〜2.5マイクロメートルの粒子を99%除去とあります。
ダイキンと同じくウイルスの有効性を謳っているのである程度の効果はありそうです。
Panasonic
パナソニックは次亜塩素酸を投入したウイルス対策空気清浄機を出しました。
ただしものすごく高い。 新しいのはフィルターと言うより 空気中に次亜塩素酸放出して部屋に付着したウイルスを抑制してしまうことです。
色々探したのですが、フィルター自体がどのサイズの粒子を除去できるか記載ありませんでした。
ただこの空気清浄機15万円もします。 価格comの空気清浄機ランキングでもこのお値段の空気清浄機が2位って非常事態です。
次亜塩素酸のエビデンスに突っ込まれる方も多数いらっしゃいますが、大手が実験して出している商品なのでそこをどう考えるかに分かれます。 次亜塩素酸はカップ式自動販売機の電解除菌装置やおなじみプールの塩素消毒もそうです。
厚生労働省のHPを見ると、自宅に新形コロナウイルスの感染者が出た場合の対処法として、0.05%次亜塩素酸ナトリウムで取っ手やドアノブ等の接触箇所の消毒を推奨しています。
新型コロナウイルス感染症(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 脇田座長ご説明)|厚生労働省
そんな次亜塩素酸を空気中に吐き出す空気清浄機….. 効能は全く未知数ですが、本当にタイムリーな製品。Panasonicさんすごいです。
15万でも売れる理由が何となくわかりました。
ただ、湿度をあげればウイルスの感染を抑えられるとすればこれまた次亜塩素酸の効果なのか湿度なのかよくわからなくなってきます。
追記)
次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムの違いは 厚生労働省(www.mhlw.go.jp)のこちらのページを御覧ください。
(次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料)
P4を見るとphは違いますがどちらもウイルスに対しての特性があるみたいです。
ジアイーノから生成されるほうはHCIO 次亜塩素酸水です。
DYSON
今ダイソンのサイトのトップページをのぞくとウイルス除去できます感が半端ないですが、それだけ自信があるんだと….
加湿空気清浄機をみても空気清浄機を見ても0.1マイクロメートルまで99.95%除去とあります。 ダイキンの光ストリーマやシャープのプラズマクラスターのような特別なシステムは見当たらなく、フィルターのみでこの性能を実現しているっぽいです。 0.1マイクロメートルレベルと 言い切っていないところがなかなか判断が難しいのですが、とにかくウイルス除去できると….
フィルターだけで持っていけるならBALUMUDAさんも0.1マイクロメートル対応フィルター出せばいいのにと思ってしまいます。
アイリスオーヤマ
こちらマニュアルよりHEPAフィルターのスペックを見てみたのですが、やはり0.3マイクロメートル未満の微小粒子は捕集の確認ができていないとのことなので、ウイルス除去の特性は期待できないかもです。
ブルーエア
ブルーエアも同様フィルターのみで0.1マイクロメートル以上の除去を謳っています。
製品のデザインが美しいので検討の余地はありそうです。
いかがでしょうか?
空気清浄機が売れているみたいなので、代表的なものを調べて見ました。
まったくもってスペックだけで選んでみましたが、日本メーカーで何らかのウイルスに対して効果を求めるなら Panasonic、ダイキン、シャープの中から選ぶことになりそうです。 DYSONもブルーエアもまさかの0.1マイクロメートル対応していました。
個人的には光ストリーマやプラズマクラスタ、次亜塩素酸等のフィルター+α があったほうがいいような気がしているのですが、これまたどの程度ウイルスに効果があるのかは未知数です。
いくら空気清浄機を購入しても、ウイルスがついているドアノブなど触ったり、手を洗わないことによる感染リスクのほうが高そうなので、あくまで気休めだと思うのですが、飲食店や病院の待合室などに高機能の空気清浄機がおいてあるとやっぱり安心してしまいます。
匂いがあるので飲食店で使えるかわかりませんが、あんなに高いPanasonicの商品が売れているのも、院内感染を防ぐために病院の待合室など、必要経費として買っているかもしれませんね。
アフターコロナの世界は空気清浄機の開発が一気に進みそうです。ただ過剰に除菌して無菌室みたいなところに生活して逆に抵抗力がなくなる人間も出てきそうです。ウイルスと人間の戦いはまだまだ続きそうです。
せっかく調べてみたので
書かせていただきました。
ご参考ください。