今日は充電池の話です。
wiiリモコン にラジコン、ミニ四駆、おもちゃ、その他いろいろなガジェットにとても便利な充電池。
昔はエネループぐらいしかいいのがなかったのですが、amazonオリジナルでもリーズナブルなものが販売されています。
1.5Vのアルカリ電池もいいのですが、1.2Vの充電池
何度も使えるため割安です。
ネットを見ていて一つ思った事が…
amazonオリジナルもそうなんですが充電池だけ売って、充電器は売ってないんですね。
みなさん適当なものを選んで使用されていますが、
充電池の世界では充電器が結構重要だったりします。
そんな事をいろいろ書きたいと思います。
充電池の歴史
説明するに当たって、少しだけ歴史をおさらいしておいた方が分かりやすいので書かせてください。
流れとして大きく3タイプ。
● ニッカド (ニッケル—-カドミウム) 昔の主流
↓
● ニッケル水素 (ニッケル—–水素) エネループ、amazonオリジナル
↓
● リチウムイオン iPhone、電気自動車、電気自転車
リチウム (負極に金属リチウム 正極にコバルト、マンガン、ニッケル、複合材)
リポ (リチウムポリマー 電解質にゲル状のポリマー)
リフェ (リチウムフェライト 正極材料にリン酸鉄リチウム)
ざっくりとですが…
となります。
ニッカドは昔の技術として見れば
現在は ニッケル水素 とリチウムイオンが主流になってます。
40代ぐらいの方が昔ラジコンで10分ぐらいしか持たなかったバッテリーはニッカドです。
dysonのバッテリーや電動工具でもリチウムイオンが主流になってきました。
これを踏まえて少し電池の世界に潜ってみたいと思います。
あまり知られていない充電池の問題点
ニッカドやニッケル水素 電池 グループと リチウムイオン電池
ある大きな違いがあります。
それは
メモリー効果
バッテリーを扱う人には当たり前なのですが、
あまり知られていない事です。
継ぎ足し充電すると劣化する性質
つまり ちょっとだけ使ってまた満充電すると、残ってた電池残量が悪さして、
若干電圧の下がった状態になってしまう、使用時間が減少してしまう事がおきます。
メモリー効果が起きる → ニッカド、ニッケル水素
メモリー効果起きにくい → リチウムイオン
となります。
なのでニッケル水素充電池の本来の使い方は
使い切ってから充電するです。
放電させるディスチャージャーという機械が売っていて
ラジコンなんかでニッケル水素を使っている場合はディスチャージャーで放電させてから充電が基本になります。
iPhoneでちょっとだけ使ったから、充電!とか、
電動自転車でメーターが2/3残ってるけど、遠乗りするから満タンにしておこう!
など、
放電せずに、継ぎ足し充電ができるのは
メモリー効果が少ない リチウムイオン電池
だから可能なんです。
つまりニッケル水素だと今のスマホや電動自転車の時代
すぐにバッテリー劣化交換の事態になってしまう。
車の世界でも、プリウスの技術で回生ブレーキ発電してると、
継ぎ足し充電になりニッケル水素だとすぐに劣化します。
人類がメモリー効果に勝った…
リチウムイオン電池の発明ってそれぐらいすごい事なんです。
ニッカド電池やニッケル水素のエネループはpanasonicに吸収されてしまった三洋の仕事。
三洋の凄さはメモリー効果のある充電池をできるだけメモリー効果が少なくなるように製品化して一般家庭に普及させたことにあります。
なので今市販されているニッケル水素 エネループやamazonオリジナルはそこまで気にせず充電すればいい。
ただ本当はできるだけ使ってから満充電させたほうがいい事は確かです。
ニッケル水素電池が持つ特性について
このニッケル水素、昔あったニッカドに比べある特性を持ってます。
それはメモリー効果がニッカドに比べて一時的で、ある程度リフレッシュできる。
お風呂を想像してもらえるとわかりやすいんですが、追い炊き(継ぎ足し充電)ばかりで濁った水を、一度栓を抜いて 新しいお水を入れる感じでしょうか?
適正な放電と適正な充電で元気にしてあげる作業です。
このリフレッシュという作業ができる充電器はものすごく高価なのですが、
amazonでは安く買えます。
何度も使って劣化している場合はしょうがないのですが、
充電器でリフレッシュさせてやると回復する見込みがあります。
ニッケル水素 電池の話
今売られている単3充電電池はニッケル水素が主流です。
その中でも2種類あり
普通の容量と最近では高容量が発売されています。
左 容量 1900mAh 充電回数 1000回
右 容量 2400mAh 充電回数 500回 高容量
この値段の差なら右の高容量買うでしょ
となるのですが、注意が必要です。
ここでもあまり知られていない事が
高容量 → 耐久性がない
充電回数を見ていただけると高容量は1900mAh電池の半分の500回です。
つまり半分の耐久性しかないということです。
高容量充電池を何本も持ってるんですが、一つの傾向があります。
使わないと不活性化しやすい。
いざ使おうと思うと使えない事が多いのが高容量タイプ。
充電したばかりだと問題ないのですが、電池として若干不安定です。
あと高容量タイプ 若干太い
1900mAhのエネループが14.1mmに対して
2400mAh の高容量 14.3mmあります。この微妙な差が電池ケースに入れにくかったりします。
なので耐久性や使い勝手から全体的に考えて
高容量より普通の1900mAhの充電池をオススメします。
充電器について
うちで使ってる充電器なのですが、リフレッシュや急速充電が使えるものを使用しています。 ラジコンメーカーだとhitec からスマホで管理できる製品が1万円ぐらいで出ているのですが、
amazonの充電器 NT1000で十分。
単3 4本
単4 4本
それぞれ充電可能です。
電池をセットすると すぐに各バッテリーの電圧が出てきます。 これは充電された電池なのでそれぞれ高いです。
この充電器は4本全てに別の設定もできますし、先ほど説明したバッテリーのリフレッシュもできます。
急速充電したい時は
電池をセットし 左のcurrentボタンを押すだけ。そうすると4本同時に設定できます。max 1000mAまで流す事ができます。
設定で200mA 500mA 750mA 1000mAの4種類が選べます。
単4のamazon ベーシックの充電池なら750mAhなので
1時間以内で充電完了してしまいます。
単3には1000mA 単4には750mAを流すという事ができてしまいます。
1時間で充電できるアンペア数を流すことを 1C充電と言います。
CはキャパシティーのCです。
ニッケル水素は1C充電が可能なので1cより少しオーバーですが、問題なく充電できてます。
1C充電というのはその電池が1時間で充電できるアンペア数なので
1900mAh(ミリアンペアアワー)の電池を1C充電するには1900mAの電流を流せばいいことになります。
さらに急速充電させたい人は特別な充電器で 2倍2C (この場合では3800mA) で30分充電可能ですが、2C以上になると極端に電池性能を劣化させます。
なので急速充電も1Cであれば大丈夫という感じです。
これに対して放電の特性も同じCで表されます。 20C放電なら1900mA×20 の放電が可能ということです。
なので1000mAで充電できるこの充電器では単3電池が2時間ぐらいで充電完了になります。
バッテリーにも優しく急速充電可能ないい値です。 もちろんアンペアを下げてゆっくり充電することも可能です。
この急速充電に極端に強い電池がリチウムイオン電池の中の
リフェ (リチウムフェライト) で4C充電までいけるので 1時間の1/4の
15分急速とかも可能になります。
こんなに急速充電が可能なリフェがあまり電動自転車に使われていないのは
急速充電性能よりもパワー的に若干劣っているからかもしれません。
一般的にはリポ(リチウムポリマー)の方がリフェに優れています。
ただパワーやショート時に発火する可能性があるためリポは競技ラジコンでは主流ですが、タミヤ模型のような小さなお子さんまで使えるラジコンのバッテリーのラインナップにはリフェが採用されています。
ちなみに電動自転車のバッテリーはリポ、リフェどちらにも属さない一般的なリチウムイオンになります。
ちょっと話を戻します。
不活性化した電池やメモリー効果で性能が落ちた電池もリフレッシュで改善される場合があります。
MODE変更で左1本だけリフレッシュすることもできますし、4本全部リフレッシュも可能。一番左がrefreshモード。
ディスチャージと言って中途半端に使った電池を充電前に放電することも可能です。
ゆっくりした充電から急速充電 放電からリフレッシュまで
電池にまつわることは大体できてしまうので、
充電器に少し目を向けてみるのもいいかと思います。
長々と充電池の話をしましたが、
うちでの使い方は耐久性のある高容量でない充電池を買って1Cの急速充電です。
電池も問題なく使い続けられてます。
ベストセラーのニッケル水素 充電器は6時間充電なので約300mA。
もちろん安くて十分ですが、
マネジメントもできる充電器、とっさの電池切れも単4なら1時間で充電できるため
とても役に立ちます。
購入の目次に入れてみてください。
追記
なんでリチウムイオンの単3単4がないの?
これは私も疑問でした。ニッケル水素のラジコンのバッテリーでは6セル(電池6個)を直列につないで7.2V を出力するのが普通でした。
現在のリチウムポリマーバッテリーは2セルで7.2Vです。つまり電池一個が3.6Vあります。 これを単3電池に小型化してさらに1.5V以下に電圧を下げる必要があります。
この辺の兼ね合いで製品化されていないんだと思っていましたが、時代は流れていました。
パナソニック等がリチウム単3乾電池出してました。
充電式ではありませんが、電圧も1.5V エボルタより30パーセント軽量化で1.5倍伸びるそうです。 恐ろしい電池。
ただ初期電圧1.8Vとあったので使用に注意がいるかもですがミニ四駆に搭載すると吹っ飛ぶことが予想されます。
単3サイズでリチウム充電池を調べてみるとusb充電式やサイズは単3ですが3.6Vあったりまだまだカオスの世界。パワーがパワーだけに大手が出すのを待ちましょう。
長々とすみません。
電池にまつわる話でした…